だいぶ間が空いてしまいましたが、気にせず次のネタにいきます。


最近ではプラグインやアンプシミュレーターが発達したので、エレキギターをライン録りする機会が増えました。
自宅どころか、レコーディングスタジオで録音していても好きなアンプを好きなように鳴らせるという環境はなかなかありませんから、これらのアンプの音を出す道具は正直かなり便利です。


筆者もギタリストではありませんが、LINE6のPODを持っています。
出た当時ギタリストがレコーディングに持ってきて感動し、楽器屋で購入しました。
今でも現役で使っています。既にかなり型落ちですが、、、。今はPOD2でしょうか。


さてさて、その後はハードウェアだけでなくプラグインのシミュレータ関係もかなり発達しました。
PODを持っていたので当然プラグインでもLINE6 AMP FARMはかなり使いました。

これらのアンプシミュレーションエフェクトを使ってきて、当然色々研究しました。


ある簡単なことをするだけで、飛躍的にギターサウンドをクリアに、抜けの良いものにできる方法があります。


この技は、どのアンプシミュレーションエフェクトでも使うことができる優れものです。

しかも、アンプシミュレーションエフェクトに限らず、ギターをライン録音して後からエフェクト処理する場合、どのエフェクトに対しても有効です。



方法は非常に簡単。



ライン入力のギターを録音したトラックに対し、コンプレッサーのエフェクトをかけるだけです。


順番の問題で、ギター(ライン)のトラックでは、どのプラグインよりも先にコンプレッサーをかけるのが最大のポイントになります。


コンプレッサーの種類は、はっきりいって何でも大丈夫です。
DAWに最初からついているようなもの、非常にシンプルなコンプレッサーでも十分効果が得られます。


コンプレッサーの設定は特別な設定は必要ありませんが、比較的アグレッシブに潰した方が効果がわかりやすいです。


どの音に対してもコンプレッションがかかるようなスレッショルド設定が良いと思います。
レシオは強めに8:1以上とかで良いでしょう。
アタック、リリースタイムは双方ギターのアタックとリリースに対応するためかなり早めの設定にします。
強めにコンプレッションしていますので、当然出力レベルはアップする方向に調整してください。
DAWで言えば、コンプレッサーを通った後のレベルが-6dB以上、逆に言えばメーターが振り切れない程度までコンプレッサーの出力レベルを上げてください。


このコンプレッサーの後段に、アンプシミュレーションエフェクトを入れます。
お好みのアンプを選んで、歪みサウンドを作ってみてください。



どうでしょうか?



わかりにくければ、コンプレッサーをON/OFFしてみてください。

音のエッジの立ち方などが明らかに違うはずです。

ハードなディストーションサウンドがわかりやすいと思いますが、メロウなクランチ系、オーバードライブ系のサウンドでもヌケの良さが全然違うと思います。


ということで、非常に簡単かつ効果の高い技ですので是非試してみてください。


やり方がご理解いただけたら、次からはコンプレッサーとシミュレータを両方ONにした状態で、コンプレッサーの調整をすることをお勧めします。
この方が、的確な調整が出来ます。
ラインの音を聞きながらやってもペケペケで面白くありませんので(苦笑)。


仕組みとしては、推測ですが、こういったギターアンプシミュレーションエフェクトは、比較的いいギターやいいラインの音を基準にエフェクトが仕上げられているのではないかと思います。

元にしているギターが、エピフォンではなくGibson、Fender JapanではなくUS、変なギターではなくPRSを元にエフェクトサウンドを仕上げているのではないかという事です。良く考えれば当たり前ですね。。。


従って、ある程度整った音が入力されたときに初めて、本来のサウンドになるのではないか?と推測しています。


ここから先は応用編ですが、この原理を理解するとアンプシミュレーションエフェクトでの音作りが非常に楽になります。


単純な話ですが、アンプシミュレーションエフェクト本体で音を作るよりも、エフェクトに入力される音を加工した方が狙った音になりやすく、シャープでヌケが良く、コントロールしやすいのです。


ギタリストの場合、エフェクト(アンプ)の方でイコライジングをしたくなると思いますが、ギターアンプのイコライザーははっきり行って飛び道具です。音域調整には向きません。実物もその傾向があります。


先ほどはコンプレッサーでしたが、そのあとにイコライザーを入れます。
イコライザーの後が、アンプシミュレーションエフェクトです。

アンプはお好みのものを選び、コンプレッサーは先ほどの通りにかけます。
イコライザーもいじってみてください。

そう、驚くほどアンプサウンドがはっきり変化するのです。
ギターアンプのイコライザーとは全く異なる変わり方をするはずです。

アンプサウンドの高域を上げたかったらアンプより前段で加工した方が狙い通りになるのです。
低音など、他の帯域も同様です。

アンプの後にイコライザーを入れることもありますが、イコライザーがかかった音をアンプシミュレーションエフェクトに通したほうが、自然とまとまった音になるような気がします。


結論的には、プラグインのアンプシミュレータなどを使う場合は、そのシミュレーションエフェクトより前段で音を作ってしまうという事になります。シミュレーション(アンプ)は、歪み担当ということですね。


ギタリストの方でしたら、レコーディングに限らずライブでの音作りでもかなり応用が効くと思います。

大切なのは、アンプに入る音のクオリティを上げるという事です。
ラインの音を調整して、いいギターのライン音と同じクオリティにしてしまう、ということですね。

あとはいいアンプがあれば、勝手にいい感じに歪んでくれます。


余談ですが、この技に気がついた時、昔のミュージシャンの楽器はやっぱりいい楽器だったんだろうなと思いました。
最近はそこそこの楽器がリーズナブルな価格で手に入れられるようになりました。
特にギターは人口が多いこともあり、価格の安いギターでもいいアンプに突っ込んで歪ませてしまえばそれっぽく聞こえます。
しかし、いいギターは、やっぱりギターから出ている音そのもののクオリティが高いという事です。


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